10/16 著者・おおたとしまさ氏と語る「世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書」読書会


こんにちは。元学校講師なのに子ども(小2・年中)の教育には放任な、おだまいです。


先日、HUC主催「世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書」の著者おおたとしまさ氏との読書会が行われました。


・HUCコミュニティーマネジャーなつみっくすの のこぎりブログ

・HUC読書会参加者けいこさんの FB投稿  


のレポートが分かりやすくまとまっています。合わせてご覧ください。



「世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書」に書かれている7大教育法とは、「モンテッソーリ、シュタイナー、レッジョ・エミリア、ドルトンプラン、サドベリー、フレネ、イエナプラン教育」のことです。


まず、参加者の自己紹介とともに「イエナプラン教育」について話題になりました。


長野県佐久穂町では日本初のイエナプランスクール「大日向小学校」が開校、広島県福山市が公立・市立小学校として「イエナプラン教育校」を創設、話題になっている教育法です。

入学するために移住を検討しているHUC参加者がいて、注目度と期待度の高さを感じました。



ここからは、著者おおたとしまさ氏がシェアしてくださった話しを中心に書いていきます。



イエナプラン教育

教育の方法ではない。概念・理念・コンセプトである。

「理想とする社会の縮図を作り、そこで子どもを育てていくと、やがて理想とする社会ができるだろう」という考えの元に教育される。

モンテッソーリなどとは違い、方法ではない点に注意が必要。先生のスタンスと力量が勝負。



モンテッソーリ教育

自分が自分を育てる。子どもが自ら何をしているか、集中を邪魔してはいけない。

コミュニケーションの在り方が違う。幼児にありがちな自己中心的ではなく、他者性を身につけているように感じる(通常5歳頃~)。


HUC参加者からの「知っている導入園では、お母さんが追い詰められているような気がした」という話しに対して、おおた氏は「園・学校により、玉石混合。道具をそろえていたらやっているように感じる(形から入りやすい)ので注意が必要。本当にしているところであれば、お母さんの幸せ、自己教育力を刺激するような教育ができるはず。」とのこと。



シュタイナー教育

一番書くのが大変だった。哲学的。人智学。ゲーテの世界を医療、農業などに生かす。マテリアルだけではない、なんでも証明できると思うことへのアンチテーゼ。エビデンスベースではない点が、宗教がかってみえる。


「大人が学ぶシュタイナーのプログラムを受けた」というHUC参加者によると、「時間をかけて色を塗るなど、繊細な感性を大事にしていると感じた。宗教色が濃いので日本に合うかはどうか分からない。」



レッジョ・エミリア教育

メモやビデオで記録を残していく。プロが毎日記録されたドキュメンテーションをみて、翌日のプログラムを作っていく。先生を育てていくには良い方法。先生のレベル・社会的地位が高い。子どもには正解を示さず、化学反応を認めていく。


レジスタンスから生まれた。ファシズムに反対し、「自分の軸で人生を選んでいこう。選んだことに対する価値を、お互い認めていこう。」と始まった教育。



熱意ある読書会となり、時間の都合上、7大教育全てについて細かくは取り上げられませんでした。詳しくは本をご覧ください



以下、教育方法に関係なく、共通すること・フリートークとして話題にでたことを書きます。



素人(親)は真似できない

「おうちでできる〇〇教育」などの本があるが、自宅で素人が行うのは、まず無理。プロは、余計なことを言わないで要所要所で言う。親が真似しようとしないこと。


対立関係に持ち込まない

子ども、夫婦関係(教育法に関してなど)ともに、対立関係に持ち込まない。100回言っても言わなくても変わらない。そうするときは、そうする。「~しなさい。」「どっちが勝つか負けるか」「論破」などは、しない方が良い。


教育の成果は数値化できない

教育の成果=学力評価ではない教育法を、いかに守っていくか。狭い評価軸にのせないこと。「教育の成果ってなんなの?」と聞かれるとわからない。その時は良くても、未来は分からない。数値化できるものではない。


オルタナティブ教育は少数派

オランダなどの国で進んでいる・取り入られているといっても、このようなオルタナティブ教育は1割程度の少数派。上位階級層は、日本以上の詰め込み教育をしているのが実情。


子どもの選択肢が増える?

親が子どもの選択肢を増やしてあげようと偏差値が高い大学に行ったとしても、実際の選択肢は増えていない。増えた選択肢からしか選べないので窮屈である。


子どもの意思・選択

子どもは、親の期待と自分の意志を混同してしまう。子どもが「習い事を辞めたい」と言ったときに、「だってあなたがやるって決めたんじゃない」とつめるのは違うと感じる。


などなど、濃い話し合いが行われました。



最後に、「おおたさんの個人的な教育については?」という参加者からの質問が。


「人間の土台ができるときに、どれだけワクワクできるか。夢中になる経験をして、挫折して、また復活していく。何を選んでも、後から何事にも良い経験にさせていくのが大切ではないか。」と、丁寧にお答え下さいました。

けいこさんのグラレコ



オルタナティブ教育とHUC

HUCの中には「寺小屋を作ろう」としている人たちがいます。「小学校(寺子屋・サードプレイスのような場)を作りたいね」「教育法について学びたい」と話していたところから、この読書会が開催されることになりました。


「少数派」が「個性を大事にして、お互いを認め合う」「今までの評価軸と違う幸せ」を作っていくオルタナティブ教育の在り方が、HUCの「誰も否定しない」「母親を、もっとおもしろく」の在り方と重なるように感じました。


個人的には、小学校(寺小屋・サードプレイスのような場)を作りたい!!という気持ちが、一層ふつふつ沸いてきた読書会でした。来週は、この読書会をもとに教育情報シェア会をするので楽しみです!

おおたとしまささん、開催の調整をしてくださった皆さま、参加者の皆さま、ありがとうございました。



HUCライター:おだまい







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